今回のお話は、帯状疱疹についてです。やや内科的なお話になりますが、夏の時期になると皮膚科にかかる患者さんが多くなる疾患の一つで、だれでも罹患する可能性があります。ぜひ、お目通し下さいね。
みなさんは、水ぼうそう(水痘)にかかったことはありますか。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスといって、水痘を引き起こすウイルスと同じものが引き金となって現れる疾患です。
幼少期に水痘に罹患すると、病気が寛解した後もそのウイルスが体内に潜伏します。
ウイルスは数十年にわたり体内に残存し続け、ストレスや加齢等によって自身の免疫が低下した隙を狙って活動を再開してしまいます。
この一連のプロセスが、帯状疱疹とよばれるものです。
帯状疱疹に罹患すると、主に体の右半分や左半分など、身体のどちらか片側にピリピリするような痛み(疼痛)が生じます。その後、疼痛を伴う部分に紅斑が現れ水泡を伴う皮疹になることが特徴的です。
多くは上半身に症状が出現しますが、特に症状が顔面に出現した場合は注意が必要です。目や耳などの神経に後遺症が出る場合も考えられますので、こういった場合には早めに適切な医療機関を受診しましょう。
帯状疱疹は人にうつる疾患ではないと言われています。しかし、もし疼痛を伴う皮疹が出現して帯状疱疹が疑われる場合は、できるだけ患部には触らない方がよいでしょう。
主に50代以上の方に好発しやすい疾患の一つで、癌などで免疫力が低下した際などにみられることが多いです。しかし、最近では若い方でも疲労やストレスによって帯状疱疹に罹患した方が多くいらっしゃいます。症状が出現した際は、なるべく早めに近くの皮膚科を受診しましょう。症状が長引くほど、完治するまでに時間がかかってしまいます。
主な治療は、抗ウイルス剤の内服が第一選択です。外用薬は、内用薬で改善がない場合のみに用いられます。
もし帯状疱疹に罹患したら、どうしたらよいのでしょうか。
まずは、皮膚科を受診して帯状疱疹の診断を受け、適切な薬の処方を実施してもらうことです。
場合によっては、血液検査や皮膚の一部を採取することで、帯状疱疹ウイルスに感染しているかどうかを調べることもあります。
また、帯状疱疹の薬は一度に内服する錠数および日数が決められています。
医師や薬剤師の指示通りに内服し、ウイルスを確実に抑えることが必要です。
また、帯状疱疹の診断が下った場合は、無理はせずにできるだけ安静に過ごすことも大事です。
激しい運動などは控え、食事や睡眠を十分にとって療養に専念しましょう。
症状は、だいたい1か月程度で改善すると言われています。皮疹は経過とともに消失するため、患部はできるだけ触らないようにします。
また、皮膚病変は掻きむしることで化膿し、跡になって残る可能性もあります。疼痛が気になる場合は、患部を温めて血流を良くしましょう。
内服治療によって改善する場合が多いのですが、疼痛が持続する場合は鎮痛剤等を用います。年配の方の中には、数か月~数年にわたって痛みが持続することもあります。
非常に強い疼痛がある場合や、皮膚疾患が極めて重篤なものは帯状疱疹後神経痛といい、帯状疱疹の後遺症とみなされています。
ウイルスが神経を損傷した状態であるため、上記の症状が見られた場合は専門医への受診を促すこともあります。
50代以上の方を対象に、ワクチン接種を奨励している自治体もあります。接種に関してはかかりつけの医師に相談しましょう。
もし帯状疱疹を疑った場合は、早めに皮膚科を受診し適切な治療を受けましょう。
皮膚科では、罹患後も皮膚病変のフォローやその他適切なアドバイスを必要に応じて実施できます。
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日付: 2017年10月24日 カテゴリ:皮膚科