口内炎

口内炎とは、頬の内側や歯茎をはじめとする広い範囲に炎症が発生する病気です。
その種類はさまざまで、軽度なものだと食事や歯磨き、会話の際に感じる痛み、粘膜に出現した赤い腫れ、ところどころにポツポツと斑点や浮腫が発生することもあります。
重度なものになると、びらんと呼ばれるただれや、白い膜が覆ったり、盛り上がりやえぐれた穴や水泡ができたりする場合もあり、これらは食事や会話もできないほどの痛みを伴います。
出血がみられるほどの重症になると、口内炎以外の深刻な病気(初期症状で口内炎が発生する)に罹っている可能性もあります。

○口内炎の種類
口内炎は、軽度から重度まで症状によって分類され、それぞれ病名がつけられています。
種類によって原因も症状も対策も変わってくるので、しっかりと確認しましょう。

・アフタ性口内炎
もっとも多く見られる口内炎で、表面が白か黄色の膜で覆われ、周りが赤くなっており、口の中の粘膜にできる境界線がはっきりとした浅い窪みのある腫瘍が一個、もしくは複数発生します。頬の内側や舌、唇の裏や歯茎に出来やすく、飲食の際にしみる痛みを感じます。
・アフタ性口内炎の対策
うがい薬を使って、定期的に口内を殺菌することが、もっとも早く治す方法であり、続けることで予防にも繋がります。うがいの仕方は、念入りに口の中、患部に行きわたるように10~30秒ゆっくりと時間をかけます。なお、風邪の時のように喉でうがいするのではなく、口の中でぶくぶくとやるのがいいでしょう。あわせて疲れやストレスを溜めないことや、ビタミンB群を補給することも効果的です。

・カタル性口内炎
主に物理的な刺激によって起こる口内炎で、口の中の粘膜に赤い炎症や斑点、水泡、ひび割れなどの症状がみられ、刺激の強い食べ物がしみる、ヒリヒリとした痛みを感じやすくなり、炎症が強い場合は表面が白く濁って唾液が粘っこくなり、口臭が気になることも増えます。また、はっきりと浮腫が目立つというよりも、全体的に赤く腫れて熱を持ち、口の中が荒れた状態になるので、口内炎と気づかない場合も多いようです。
・カタル性口内炎の対策
歯や歯科矯正器具などが歯茎に物理的に接触して発生する事が多いので、そのような状態なら、矯正歯科で調整してもらいましょう。
虫歯や歯周病による不衛生が原因の場合は、アフタ性と同じく、うがいが効果的です。
風邪や体調不良の場合は、体調が戻るとともに口内炎も治っていくことも多いですが、いずれの場合であっても、熱いものや刺激物の摂取は控えたほうが良いでしょう。

・ヘルペス性口内炎
主に生後6か月~3歳くらいの乳幼児にかかりやすく、ヘルペスウィルスへの感染により発症するウィルス性の口内炎で、潜伏期間を経て発疹や強い痛み、さらにリンパの腫れといった症状も出ます。その後、高熱が続き、しばらくして小さな水泡(水ぶくれ)が複数でき、赤く腫れて痛みを感じ始めます。水泡が破れると腫瘍ができます。また、腫瘍の発生場所は舌や唇、歯茎だけでなく、唇の外側やのどに近い粘膜など、いたるところに現れる可能性があります。

・ヘルペス性口内炎の対策
ウィルス性の口内炎ですので、治療は医師に任せるのがいいでしょう。
薬を処方された後は、刺激の強い食べ物を取らないようにして、さらに水分をこまめに補給し、しっかりと休めば2~3日で一気に回復するようです。ただし、完治しないと、ほかの人へ伝染することがあるので、しっかり治してから会社や学校、幼稚園に行くようにしましょう。

・カンジダ性口内炎
口腔カンジダ症、モリニア症の別名を持つカンジダというカビの増殖が原因の口内炎です。
症状が特徴的で、白い苔が舌や頬といった口の中全体に広がるという見た目に反し、痛みはほとんどありません。白い苔が剥がれてくると、赤く炎症を起こし、出血しやすくなり、痛みも感じるようになってきます。

・カンジダ性口内炎の対策
治療法としては真菌であるカンジダ菌の増殖が原因のため、病院で抗真菌剤を処方してもらい、薬でうがいをしたり、軟膏の場合は患部に塗ったりします。
カンジダ性口内炎のもう一つの大きな特徴として、健康な人はカンジダ性口内炎が出来る可能性が低いことです。元々、カンジダ菌は口の中に常にいる常在菌なので、発生する要素は基本的に誰でも保持しています。疲れや他の疾患がある場合に発症するといわれています。他の疾患とは免疫系にかかわる病気(血液系など)です。こういった重大な疾患と併発することが多いため、医師の受診をなるべく早く受けた方が良いでしょう。

○まとめ
口内炎は軽度なものなら、何も治療・対策をしなかった場合でも1週間~2週間で治ってしまうと言われています。しかし、しっかり対策を行い口内炎の症状の進行(悪化)を阻止することで、より早く治すことができます。そして、発症の多いアフタ性口内炎の予防と進行の両方に対して効果があるのが、「うがい」を定期的に行う事です。あわせて、ビタミンB群を摂取するのも効果的です。予防法と治療法がほぼ同じなので、治っても継続して続けていくのが良いでしょう。
もし、2週間を超えても治らない場合は、別の口内炎だったり、より重大な病気を併発していたりする可能性もあるので、病院で診察してもらうのが一番です。
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